子どもたちの未来のために

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「生涯現役」

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 ねぇ、「おじさん」と何の躊躇(ためら)いもなく発生する子ども。苦笑いで対応する私。ここ1〜2年で「おじさん」と呼ばれる事が多くなって来た。数年前までは、「ねぇ、パパ」と私の背中で話しかけて来る事もあったが、顔のシワも増え体力も少しずつ落ちて来たがやはり「おじさん先生」と面と向かい合って言われるとかなりショックである。
いつまでも若々しく見られたい!

 日本には、有名な高齢者が何人もいる。代表的な人はやはり、三浦雄一郎さんだろう。昨年5月に80歳にしてエベレスト登頂に成功し、世界最高齢登頂者としてギネスに認定された。三浦さんは心臓に病を抱え数回の手術を繰り返しての挑戦だったと聞く。年齢は下がるが選手的寿命を考えると最近では、ソチ冬季オリンピックスキージャンプの葛西紀明選手(41歳)が個人で銀、団体で銅を獲得した。二人に共通して言えるのは常に目標に向かい、悔しさを持ち続け努力を積み重ねているということだ。今、出来ない事は克服するチャンスが先に待っているという事。10年後の自分を見据えて仕事に挑んで行かなくてはと改めて認識させられた。

 イソップの寓話に「三人のレンガ職人」という話がある。ある旅人が道端で作業をしている三人の職人にこう尋ねた。「あなたは何をしているのですか。」最初の職人は「見ての通りさ。レンガを積んでいるんだよ。」と不機嫌そうに答えた。すぐ横で作業をしている二人目の職人は「強い頑丈な壁を作っているんだ。」と明るく答えた。三人目の職人は「街中の人が喜ぶ大聖堂を建てているのさ。私が死んだ後も、この大聖堂で、皆が祈っている姿が目に浮かぶよ。」とニコニコしながら胸を張って答えた。同じ仕事をしていても、三人の志の高さは違う。最初の職人は仕事の意義を全く見出せず、目先の事だけ、二人目の職人は、一応、仕事の意味を考えている。三人目の職人は、大きな志を抱き、それを支えに仕事に取り組んでいる。

 私たちの仕事は幼児、小学生を対象とした体育やチアリーディングの指導と教育。子どもの記憶に残る事も少ない仕事だが、年数を重ねる度に今その時に子どもたちが何を考えているのか、どんな言葉を掛けてあげるのが適切か、どの種目を与えてあげれば伸びて行くか等が解ってくる。しいては、「より良く生きていく力」をより多く、深く、強く育んであげられるようになってくる。子どもたちの未来の為に今、何を与えてあげれば良いのかを常に考え指導に当たって行きたいと思う。そして「おじさん先生」なんて言われない様に心も身体も若々しく保ち、常に悔しさをバネにし目標や志を高く持ち生涯現役を続けて行きたい。

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